【郵便料金改正関連】郵便局員経験者が明かす切手の貼り方と消印の関係について
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こんにちは。
2019年10月から郵便料金が改訂されましたね。
主な郵便料金を挙げておくと、以下のようになります。
【定型サイズの封書】
25グラム以内:84円
25グラム超~50グラムまで:94円
【はがき】
63円
全体的に1~2円の値上げですね。
利用者の中には、今までの切手に1円や2円切手を貼って補充する人も多いのではないでしょうか。
しかし、切手を複数枚はるときには若干の注意が必要です。
今回は、郵便局経験者である僕が、切手の貼り方について書いてみたいと思います。
1 実は切手を貼る位置は郵便約款で決まっている
郵便局では、切手を以下の位置に貼るようにお願いしています。
(以下内国郵便約款より)
縦書きの場合:左上にタテ7cm、ヨコ3.5cmの範囲内
横書きの場合:右上にタテ3.5cm、ヨコ7センチの範囲内
これは、郵便事務処理の便宜のためです。
郵便局では消印を押す際、専用の機械にかけるのですが、機械で押印すると、上記の範囲までしか日付印が届かないんですね。
もしもこの範囲にない切手の場合には、手作業で押印することになります。
ちなみに機械押印と手押印の違いは、波線マークがついているかどうかで分かります。
機械処理の場合、押印位置の範囲を広げるために、日付印の上に3本の波線があります。いいかえると、この波線が届かないような位置に切手を貼ると、手作業になるということです。
最近では横書きの封書も増えていますが、切手を左上に貼る人が非常に多い。
気持ちは分かりますが、これだと機械処理できないので郵便局員は困ってしまいます。
最近では機械の押印位置をひっくり返して、この位置でもむりやり機械押印する郵便局もありますが、日付印が上下逆になるのはあまり見栄えはしませんね。
このような事態にならないためにも、横書きの封書の場合には、できるだけ切手は右上に貼るようにしましょう。
2 不足分の切手を貼る位置
上記のことを踏まえると、不足分の切手の貼り方も気をつける必要があります。
つまり不足分の切手を追加するときは、元の切手の横ではなく下に貼ること。
横に切手を貼ると機械の押印ができないので、すべて手作業になってしまいます。
こうなると処理に手間がかかるので、場合によっては発送が後回しになってしまうことも起こりかねません。
もちろん切手を貼るスペースがないなどの事情により、原則通りに行かないこともあるでしょう。
しかし、無駄な労力を削減し、スムーズな郵便発送業務が行われるように、手作業になるような切手貼付はできるだけ避けたほうがよさそうです。
3 トラブルになりやすい切手の貼り方の例
前記のとおり、約款通りの位置に切手を貼らなくても、基本的に郵便物はちゃんと送られます。しかし中にはトラブルを起こすような貼り方もあるので、ここで紹介しておきます。
① 切手を裏面に貼付
中には封をするテープ代わりに、閉じ口に切手を貼る人がいます。
このように切手を郵便物の裏面に貼るのはトラブルの下です。
確かに、はがきなどの場合には切手を貼るスペースがないため、裏面貼付もやむを得ない場合もあります。しかしそのような例外的な場合を除いて、やはりこのような貼り方はできるだけ避けるべきでしょう。
切手の裏面貼付は、郵便局員が裏面に貼付している切手の存在に気づかずに、料金不足と勘違いすることを誘発してしまいます。
もちろん郵便局側も作業の際に見落とさないように気を付けていますが、郵便物の裏面を100%チェックするのはなかなか困難です。
このような事態を防ぐために、やむをえず裏面に切手を貼付する際には、表面に目立つ形で「切手裏面貼付」の旨を記しておくことをお勧めします。
② 割れ物の上に切手貼付
封筒の中にカード類やSIMカードを入れる人もいるでしょう。所謂「割れ物」というやつです。
キャッシュカードなどの重要なものは書留郵便で送るのが一般ですが、会員カードのような簡易なものは、普通郵便で送る人も多いです。
普通郵便でこれらの割れ物を送る際には、切手の貼り方と関連して注意する点がありますので、ここで述べておきます。
一般に、カード類のような割れ物は機械処理できませんから、手作業で押印・区分します。
手作業で押印するとき、書留の場合にはシャチハタのような道具で押印するのですが、普通郵便の場合には扱う量が多いため、ハンマーのようなもので叩いて日付印を押します。普通郵便の手押印の場合、自分の郵便物はハンマーでたたかれるという意識は持っておきましょう。
「押印の際に切手貼付部分を叩いたら、その下にSIMカードがあった」
なんて事態になったら悲惨ですよね。そうならないために、切手貼付の位置と中身の割れ物の位置が被らないようにするといいでしょう。
また、そもそもハンマーのようなもので叩いてほしくないときには
「ローラー押印希望」
「割れ物在中」
などと明記しておく方が安全です。
普通郵便は書留と違い、短時間の間に何千通と処理をするため、郵便局側の必ずしもチェックがいき届かないこともあります。郵便物を破損から守るためには、送る側も一定の自衛手段が必要ということですね。
③ 切手の上にテープを張る
切手の脱落を心配して切手の上にセロハンテープを被せる人がいます。
おそらく懸賞シールと同様の感覚でこのようなことをやっているのだと思いますが、実はこの張り方は好ましくないのです。
テープを被せると、切手を正しく消印できなくなってしまいます。
消印出来ない郵便物ということで、郵便局側がかなり嫌がるケースです。
むろん、郵便局側もサービスなので、こういう郵便物も無碍に引き受けを断ることはないでしょうが、トラブルを事前に防ぐためにもテープの利用は避けるべきです。
切手貼付の補強をしたい場合には、糊などの接着剤を使いましょう。
4 さいごに
以上、郵便内務の経験をもとに、切手の貼り方と消印の方法について書いておきました。
最近ではメールやラインばかりを活用するためか、切手の買い方を知らない若者も増えているとか。
たしかに郵便を出す機会は減っていますが、いざというときのために今回のような知識も参考にして頂けると幸いです。
それでは、また。