こくごな生活

国語や法律のソフトな考察を中心とした日常雑記録

作文問題の学習法について

スポンサーリンク

前回、作文問題の勉強の必要性について記述しました。

作文問題を勉強するのは無駄ではないよ、ということですね。

 

では、どんな風に勉強すればいいのでしょう。これも私が以前作成した記事から紹介します。受験直前期にアップする内容としてはふさわしくない表現もありますが、一般論として受け止めてやってください(笑)。

 

***************************************

●いつから勉強すればいいの?
これについては先生(作文指導者)によって意見はそれぞれでしょうね。

ただ、あくまで私個人の意見としては、夏休み中に直近の作文問題を一度見ておくことをお勧めします。今は公立高校入試問題などの過去問はHPで簡単にダウンロードできる時代です。各都道府県の教育委員会のページなどに過去問が掲載されていますから、時間があるときにちょっと見てみるといいでしょう。できれば答案も書いてみてください。

作文問題は、英語や数学と違って、まだ勉強していない分野だから解けないということはありません。したがって、夏休み中でも十分挑戦が可能です。夏休み中に一度問題に挑戦して自分がどれくらいできるか(できないのか)把握しておけば、秋以降、落ち着いて対策をとることができます。もし入試ギリギリになって慌てて作文問題に手を付けると、仮に自分の弱点が見つかっても十分な対策をとれないまま本番を迎えることになりかねません。それはちょっと危険ですよね?

ただ、夏休みのうちから本格的な作文対策までする必要はありません。できれば夏休み中にちょっと体験してみて、本格的な作文対策は秋以降という形でも十分間に合います。ちなみに私が中学生のときは、塾の冬期講習ではじめて作文対策の勉強をしました。それくらいでも間に合うということです
ただ、具体的な勉強開始時期については、それぞれの生徒の学力によって少しずつ違うでしょうから、不安な人は少し早めに手を付けた方がいいかもしれません。


●何を勉強すればいいの?
ズバリ言って過去問です。少なくとも公立高校入試レベルの作文であれば過去問の演習で十分です。欲を言えば、業者が開催する模擬試験などで答案を書く感覚を養えば更によいでしょう。
むしろこれ以上の作文演習は、(誤解を恐れずに言うと)有害ですらあります。その理由は二つ。

①他の科目の勉強時間が足りなくなる
作文の勉強に熱心な生徒がいるのは(もしいたらですが(笑))、国語講師である僕としては非常にうれしいことなんですが、やはり入試において重要な科目なのは作文より英語や数学などの他教科であることは否定できません。私立との併願を考えている人なら尚更です。入試対策という観点からは、あくまでメインの勉強時間はこういった重要科目のために使ってください
そんな中、やみくもに作文演習の範囲を広げると、全体の勉強時間のバランスを崩します。作文問題の対策は重要ではありますが、やみくもに量を勉強すればいいというものではありません。他の科目の勉強時間とのバランスを考えましょう

②本来の目的を見失う恐れがある

ここでいう本来の目的とは、公立高校入試で一定以上の評価をもらえるよい作文を書き上げることです。これ以上でもこれ以下でもありません

試験勉強をしている生徒の皆さんに陥りがちな失敗は、勉強の目的を漠然としか考えられないまま勉強方法がぶれてしまうことです。例えば、勉強して「作文がうまく書けるようになりたい」とか、「文章力を上げたい」みたいに抽象的な目標しか持たないんですね。

しかし、単なる「うまい」ないし「文章力のある」作文と「入試で評価される」作文は違います。
どんなに美しい文学的センスのある文章でも、問題で要求されている内容を書かなければ試験では評価されないのです。これはこのサイトを通じて強く注意喚起しておきたいことです。

問題で要求される内容が何かを読み取る力は、過去問またはそれに類似する問題(模擬試験など)を解くことでしか養われません。これを忘れて安易に他の作文演習に手を広げると、本来の目的とはズレた独りよがりな勉強になってしまう恐れがあるのです。

もちろん、過去問以外の作文演習そのものに全く意味がないといっているわけではありませんよ。一般的な国語の基礎力(文章力といってもいいでしょう)を上げるという意味では、過去問以外の勉強も大変有効なことです。しかし、限られた時間で勉強しなくてはならない受験生の皆さんは、試験勉強とそれ以外の勉強を区別することを心掛ける必要があります


●どうやって勉強すればいいの?

では、過去問(または模擬試験)を使ってどうやって勉強すればいいでしょうか。

まずは、一度自分で実際に書いてみることです。模擬試験では会場で嫌でも書かなくてはならないでしょうけど、とにかく実際に解答用紙を埋めるという経験をすることが大事です。頭の中だけで解答を想像するだけではいけません。
一度書いてみると、想像していたよりもうまく書けないことに気づくはずです。想像と実際の文章の出来にずれがあるのは当然のことで、私なんかもしょっちゅうそういう思いをしています。
そして、どうしてうまく書けなかったのか理由を考えることです。模範解答や解説と自分の文章の書き進め方にどんな違いがあるのかを考えるなどして、本番までに改善すべき点を見つけておきましょう。といっても、これだけでは抽象的でわかりづらいと思います。よくある生徒の作文の弱点、その改善方法などをこのサイトで紹介していきますので、よければそちらを参考にしてみてください。

また、自分で書いた答案は、一度人に見てもらうことが大切です。自分の書いた文章を人に見てもらうなんて慣れないと恥ずかしいかもしれません。ただ、入試が近くなると、塾や学校で公立入試問題を素材にした答案練習会を開催したり、業者が模擬試験を開催したりしていますから、その機会に自分の作文がどんな評価を受けるのか把握しておきましょう。
点数だけ見て一喜一憂するのではなくて、ちゃんと自分の文章の弱点・改善方法を考えないとダメですよ。

***************************************

この記事は、今から2年ほど前に作成したものですが、基本的な考え方は今も変わりません。試験勉強とは離れた独りよがりな勉強は危険であることなどは、作文に限らず他教科ひいては、受験勉強一般にいえることでしょうね。

 

次回は、上記の内容を東京都公立高校入試でもう少し具体的に見ていきましょう。

プライバシーポリシーについて

スポンサーリンク