こくごな生活

国語講師だったひとのつぶやき集

本試験の問題が予備校の模擬試験より難しいと感じるのはなぜか?

こんにちは、ご訪問ありがとうございます。

 

先日、平成30年度センター試験の国語を解いてみました。

その時の記事がこちら。

 

bigwestern.hatenablog.com

 

その時感じたのは、やっぱり本試験の問題って「独特」の嫌らしさがあるな、ということです。受験生の皆さんも、本試験は予備校の模擬試験などに比べて解きにくいと思ったことがあるんじゃないでしょうか。

 

もちろん本試験特有の緊張感により問題が上手く解けないということもあるでしょう。

しかし作問者の立場からいわせてもらうと、やっぱり本試験の問題は予備校の予備試験などとは「質」が異なるのです。今回はその辺のところを述べてみましょう。

 

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1 僕の作問業務時代のはなし

僕は国家試験の全国統一模試の作成をしていました。

作問の際は、本試験の問題に近づけるために、直近の本試験の問題を穴が開くほど読み込んで研究するわけです。それこそ行数や書体はもちろん、問題文特有の雰囲気まで似せなくてはなりません。一文の長さや体言止めの多さなど、文章は人によって微妙に性格がでますからね。その辺の「クセ」を修正して、如何に本試験の雰囲気を出せるかが作問者のウデの見せ所です。

 

もちろん選択肢の作り方も然りです。

特に難問を作ろうとするときは、選択肢の微妙なニュアンスで「まちがい」を仕込まなくてはいけないので、これがなかなか難しい。それこそ本試験特有の「嫌らしさ」を出そうを知恵を絞るわけです。

 

2 「嫌らしい」問題が作りにくい!

しかし、そうやって頑張って作った問題も、没になることが少なくありません。

その大半の理由は、正解の根拠が根拠が客観的に説明できないからというもの。

 

特に読解などの論理系の問題の時には、どうしてその選択肢が誤りなのかが、講師をはじめとするスタッフがスムーズに答えられなくてはならないんです。僕も頑張って作った本試験らしい「嫌らしい」問題も、校正担当に一蹴されたことがあります。

 

「ぽちさんの選択肢は、表現が微妙すぎるよ。もっとテキストや参考書から正解の根拠が説明しやすい問題にして。」なんて言われるんですね。

 

その微妙さがいいんじゃないか、と思いつつも、しぶしぶ原稿を引っ込めます。

まあ、質問を受ける側の立場も考えると、作問者があまりわがままも言えませんので。

 

そんなわけで、予備校などが作る模擬試験において難しい問題を作ろうとすると、どうしても細かい知識を聞いたり、意地悪なひっかけ問題にするなどの方向にいきやすいんです。本試験みたいに微妙なニュアンスの違いを聞く、みたいな思い切った問題は作りにくい

 

3 本試験はある意味 思い切った出題ができる

その点、本試験を作る人間は「権威」(?)があるので、微妙な問題が作りやすいんですね。予備校みたいに受講生に正解への道筋を突っ込まれることはないし、関係スタッフが質問を受け付けるなんてこともない。僕が見て、「自分がこんな問題作ったら、没だな」というような問題も本試験ならアリになり得るんですw

 

上述のセンター試験は、まだ癖のない問題ですけど、難関私立の問題などは、かなり癖のあるというか微妙なニュアンスの違いを駆使して選択肢を作っています。こういう問題を予備校などで完全に再現するのはかなり難しいと思います。

 

4 やっぱり本試験にはかなわない

さて、ここまで述べて言いたいことは、やはり本試験の難しさは模擬試験では完全には体験できないということ。問題の解き心地みたいなものは、やはり本試験の過去問を通じて味わうのが一番なんです。

 

模擬試験はあくまで勉強のペースメーカー、あるいは時間配分の訓練などに使うべきで、上記のように問題の微妙な質は違うのですから、あまり点数にこだわりすぎないほうがいいです。

 

理想を言えば、模擬試験を解いているときに

「う~ん、この問題はわかるけど、本試験ではこんな問われ方しないよな・・。」

なんて思えれば、凄いと思いますけどね。