こくごな生活

国語講師だったひとのつぶやき集

切手の料金が足りないとき郵便物はどうなるかについてちょっと詳しく書いてみる

こんにちは。

 

郵便局員をしていたとき、切手を貼り忘れたり料金が足りない切手を貼っていたりする郵便物をよく見かけることがありました。いわゆる料金未納郵便物というやつです。

 

こういった切手などの料金が足りない郵便物の取り扱いはどうなるのでしょう。

巷のサイトを見てみましたが、あまり丁寧に説明されたものがなかったので、局員時代の経験を生かしてここで書いておきたいと思います。

 

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1 郵便局の公式見解

料金未納郵便物の取り扱いについて、日本郵便ではどのような説明をしているでしょうか。ちょっと公式サイトから引っ張ってみましょう。

www.post.japanpost.jp

 

ここで料金未納郵便物についての以下のような説明があります。

料金不足の郵便物の場合下記の方法がとられます。

1) 受取人に届く前に差出人に返送される
2)
受取人に届いて不足額を支払う
3)
受取人が不在だったり、支払いを拒否したりすると差出人に返送される

 

早い話が

①差出人に返送する

②とりあえず郵送して受取人に不足額を支払ってもらう(拒否されたら返送)

の二択になるわけです。

 

ところで郵便局では、①と②の区別についてはっきり書かれていません。

つまり、どういうときに料金未納郵便物が返送されるのか、はたまた郵送されるのか、その区別がどうなされているのか具体的な説明がないのです。

 

2 どちらにすべきかは正解がない

このように郵便局が具体的な説明をせずにお茶を濁しているのは、料金未納郵便物を返却すべきか郵送すべきかの判断がケースバイケースではっきりした基準を決めづらいからです。

 

つまり価値判断としては

① 送り先に迷惑になるからできるだけ差出人に返送した方がいい

② 内容を早く伝えるためにとりあえず送り先に郵送した方がいい

のどちらも考えられるわけです。

 

たとえば、郵便局には就職活動の時季になると採用面接の応募書類が大量に届きますが、学生は郵便料金を知らないせいか、料金不足になっていることがよくあります。

 

さて、料金不足になっている応募書類をどうするべきでしょうか。

 

もちろん「料金不足になっている書類なんか送ったら採用先に失礼だから返送してほしい」という風に思うのが一般でしょう。

 しかし場合によっては「締め切りが迫っているのでとりあえず送ってほしい」と思う人もいるかもしれません。

 

このように、返送すべきか郵送すべきかは当事者の都合による個別具体的な判断になるので、郵便局としては一律に決められないのです。

 

3 郵便局での取り扱い

そんなわけで、料金未納郵便物の取り扱いについては、厳密な法則を決めるのが難しいのですが、郵便局の現場では取扱について一応の基準のようなものがあるので、ここで紹介しておきます。ただし取扱い郵便局によってこの基準が異なることもありますので、絶対の基準でないことはお断りしておきます。

 

① 原則は差出人の住所で決まる

まず、差出人の住所が取扱い郵便局の配達管内の場合は、基本的に差出人に返送します。差出人が取扱局の近くに住んでいるため、差出人に迅速に返送できるからです。

 

例えば、新宿区(郵便番号160)に住む人が送った郵便物の料金不足だったとき、その郵便物を新宿郵便局で取り扱った場合には、原則的に差出人に返送します。

なぜなら取り扱った局の配達員が直接差出人に届けることができるので、迅速に返送することができるからです。

 

一方、差出人の住所が取扱い郵便局の配達管内ではないときは、受取人にいったん郵送することになります。戻す時間を考えたらとりあえず郵便物を送ってしまったほうが当事者の便宜になるとみなしているわけです。

 

あとは到着先の郵便局で料金不足を知らせるはがきを付けて宛て先に送ります。

はがきを受け取った人は、不足分の料金を貼って受け取るか、それとも受け取りを拒否するかの二択になります。

 

② 例外的に宛先に送ってしまうケース

このように原則的には差出人の住所で取り扱いが決まるのですが、例外的に差出人の住所が取扱い郵便局の配達管内の場合であっても、宛先に送ってしまうケースがあります。

 

ア すでに切手を消印してしまった場合

郵便局員が引き受け作業をするとき、消印を押した後で切手額が不足していたことに気づく場合があります。

 

「そんな消印するな」と言いたくなるところですが、郵便局では大量の郵便物を機械処理により消印しているので、どうしてもこういうケースが出てきます。

 

こういう場合、消印をしてしまった以上、郵便局としては料金を収納してしまっているわけですから、差出人の住所が取扱い局の配達管内であっても郵送してしまうことが多いです。送り手としては、いったん消印してしまったものを返送されても困りますからね。

 

イ 速達郵便の場合

速達郵便は、一般に内容を早く届けることが望まれる郵便物ですので、できるだけ郵送する方向で処理します。

 

例えば、速達料金としては不足していても普通郵便としては足りるという場合には、普通郵便に振り替えて発送することがあります。

速達と普通郵便は、ほぼ1~2日の違いしかありませんので、いったん返すなどというまどろっこしいことをしない方が当事者の便宜だからです。

まあ、それでも「速達表記しているのに、なぜ勝手に普通郵便にしたのか!」というクレームを頂くこともごくまれにありますので難しいところですが。

 

ウ 業務上の判断

たとえば、レターパックの料金が520円に改定されたばかりのとき、その情報が定着しないことが原因で、旧料金(510円)のレターパックが大量に差し出されるケースなどが考えられます。

 

この場合、大量のレターパックを一つ一つ返送処理をするのは膨大な手間になるので、いったん先方の局に送ってしまうということが考えられます。引受局にとっては返送処理より郵送の方が若干ラクなんですね。

 

4 まとめ

このように料金未納郵便物にについては、ケースにより適切な取り扱い方法がかわってきます。中には②のウのようなイレギュラーなこともあるので、郵便局としては料金未納郵便物の取り扱いについて明確な法則を打ち出せないのです。

 

ですので前述の通り、今回紹介した郵便局の処理手順はあくまで参考資料にすぎません。

もし自分の出した郵便物が未納であることに気づいてその処理が気になるなら、やはり出したその日のうちに引き受け郵便局(郵便物を出した郵便局)に問い合わせた方がいいでしょう。

 

ちなみに、どうしても料金不足の郵便物を相手に送りたくない場合には、郵便物の取り戻しの手続きもありますので検討してみるといいでしょう(最大で570円の手数料がかかってしまいますが)。

 

もちろんこのような面倒なことにならないためにも、郵便物を送る前にしっかり郵便料金を確認するのが一番なんですけどね。

 

それでは、また。